801妄想。
多分わりと下品。
一雨好きですが、たとえば彼らが別れたあとのことを妄想するのも好きです。(あ、一雨に限らなかった…)
そりゃ別れたりもするよ。うら若い高校生ですもの。別に今生の契りじゃなくたって良いじゃないすか。感情はコンテンポラリなもの。その各々の感情のきらめきが偶然のように触れ合うことが、貴いほどにうつくしいのです。
息を殺して只管に待てば握りつぶせたかもしれない感情を、誰かとの間で育むとか、みとめさせるとか、二人以上の人間の選択が噛み合わないと結実しない奇跡なんですよ。
いやそれはともかく。
初めての男(…)以来、なんとなく他人に接触を許し難く感じてしまう石田とかかわいくないですか!
「お前最近どうよ」
「…別に」
「…」
「…」
「……あーほら、噂回ってきてさー
名前知しんねぇけど、西校出身の、法学の子と付き合いだしたって?」
「あぁ。―――意外に下世話だな君は」
「うるせぇよ!こういうのはコミュニケーションの一環だっつーの」
「そうだろうな」
(…そうだろうな、って何だよ何が続くんだよ)
(何だ、そうだろうって。まるで僕自身に興味が無いのをあてこすってるみたいだ―――)
「…いい子だよ。明るくて、優しくて、家族思いで…ちょっと井上さんに似てるかな」
「お、おう」
<中略>
「………触れられるのは、苦手だな。
あんなふうに触れてくるのは、君だけでたくさんだ」
「………っ!!………………」
「―――!
違うぞ!!変な意味にとるなよ!僕は単に、あんな領域にまで踏み込んでくる人間が増えるのは抵抗が!!」
「おま、」
「煩い!!」
(お前それ、)
(俺にしか許さない場所があるってことと、俺がその場所を見つけたって宣言したも同然なんだぞ)
―――たとえこれから先二度と再び踏み込むことが無いにしても。
こう、「また触れたい」っていう思いはあくまで一切なくて、けれど彼の手によって自分がどんな風に他者に開いてしまうかを知ったから、それをまた直視するのが嫌っていう。(知りもしない場所に踏み込むことを拒絶することはできなくても、既に知った場所に踏み込ませることを拒否することはできる)…またなんかニッチな萌えな気がする………。さいしょのおとこ、に意味はそんなに感じないんですけど、j見たくないモノを直視させた他者、には凄く惹かれる。あ、それ竜弦パパじゃん。